アンビエント質量分析法の1つであるリアルタイム直接分析法(DART)は,“その場”計測手法として近年盛んに利用されている.産学の両面でDARTの実用・応用性が高まる一方, DARTの基本要素である (i) 高価で継続利用が困難なヘリウムと (ii) 高電力を要する持続放電の使用改善が求められているが,いずれも最適な代替案の選定や実用化には至っていない.本研究ではDARTの改良法を追究した結果,ニードル電極に低電力を印加することで発生する非持続放電「暗流」で励起されたアルゴン(安価で入手し易い希ガス)が,DARTと同等の計測性能を発揮することを見出した.
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