研究課題
基盤研究(C)
本研究では,芳香族ポリイミド(PI)の前駆体の一種で結合異性を制御したポリアミド酸エステル(PAE)が溶液状態で液晶性を示すことに着目して高蛍光性の全芳香族PIのPAEを設計・合成し,このPAEを配向処理後に熱イミド化して得られる配向が規制されたPIの配向膜を基盤材料とした各種分光・散乱法に基づき,「高分子鎖の配向・形態と蛍光性の相関」を解明し,耐熱性を有する偏光蛍光PI膜を作製した.
高分子科学
剛直な芳香族ポリイミドにおける分子鎖の配向・形態と蛍光性の相関について,その一端を明らかにした.これにより,固体中での分子鎖形態制御を基盤とする新規蛍光発光材料の設計指針確立のみならず,発光現象を通じて剛直高分子の主要物性(熱膨張,熱伝導,靱性,気体透過性等)に深く係わる局所形態や運動性を評価する新手法への発展が期待される.