研究課題
基盤研究(C)
ヒトの細胞膜で膜の機能を調節する膜タンパク質は、創薬研究における標的タンパク質であり、膜タンパク質の構造や機能解析が、研究推進における重要な役割を担う。しかし、細胞から目的の膜タンパク質を精製するには、豊富な経験と高い技術を必要とするため、膜タンパク質の研究のボトルネックである。本研究は、ヒトの細胞膜で膜の機能を調節する膜タンパク質の新しい調製方法を開発することを目的とした。本研究の実施により、ヒト培養細胞から細胞膜だけを基板に固定した基板支持細胞膜を調製し、ジスフェルリン異常症の原因遺伝子ジスフェルリンの機能解析に成功した。今後は、基板上でのジスフェルリンの濃縮と精製方法を確立する。
生物物理学
本研究では,ヒト培養細胞から細胞膜の修復に関与するdyferlin膜タンパク質の新しい調製方法を確立し、dyferlinのカルシウム依存的に変化する物性(側方拡散速度)の計測に成功した。機能計測が困難であったdyferlinの機能解析を非常に簡便にすることができることを示すことができた。今後は、dysferlinだけを濃縮/精製する方法や他のタンパク質に応用することで、創薬研究に貢献すうることが期待できる。