血管新生は癌細胞の増殖の第一歩であり,この段階を検出できれば早期発見に繋がる。チミジンホスホリラーゼ(TP)は血管新生因子であり癌細胞の増殖や転移に関わっている。TP観察は,癌細胞の早期検出マーカーになると考えた。本研究では,血管新生因子であるTPの酵素活性に応答する蛍光プローブを開発し,癌細胞の初期進展過程の可視化を行うことを目標とした。まず,TPにより蛍光強度が変化する診断薬として,チミジンに蛍光色素としてダンシル基,消光剤としてダブシル基を共有結合させることを試みた。合成したプローブを用いてTP応答活性を評価したところ,1時間で45%程度の過リン酸分解反応が進行することがわかった。
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