近年,海水温の上昇や水質の変化が引き金となって天然に自生する大型藻類は減少し深刻な問題となっている。このような背景のもと,大型緑藻類に分類されるアオサ藻に対して、その生育を促す効果が確認されたサルーシンに着目し、そのメカニズムを解明するための分子ツール合成を試みた。既に得られている知見を基に,サルーシンのジピコリン酸部位にリンカーとなるアリルメチルエーテルを化学修飾し,種々の機能性分子を担持した。この構造活性相関研究に基づいた分子設計を通じて,磁気ビーズ担持型サルーシンをはじめ,ビオチンおよび光感受性官能基を担持したメチルサルーシン,新規蛍光標識型サルーシンの合成に成功した。
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