抗生物質の元来の定義は微生物が生産し、他の微生物の生育を阻害する化学物質とされている。その一方で、抗生物質が濃度依存的に微生物に対して好影響を与えることが報告されている。代表的な抗生物質生産菌である放線菌では、リボソームを標的とする抗生物質の存在下で生育や二次代謝能が向上することが判っている。本研究では、放線菌におけるこの現象の特性や基本メカカニズムを明らかにした。加えて、それらの解析から得られた結果に基づき、抗生物質の特性を生かして放線菌から潜在的な二次代謝産物を発掘するための新たな手法を考案・検証した。
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