本研究は、神経変性疾患、炎症性疾患、さらにはがんなど、様々な疾患の原因となる小胞体(ER)ストレスを、「どの程度のストレスか」といった定量的な評価を可能にする方法を、糖鎖の定量的な構造解析技術によって示した。網羅的な糖鎖構造解析であるグライコミクスがバイオマーカー探索の中心的な技術として成熟してきた中、定性的なマーカー探索を超え、ERの状態を定量的に反映する動的な指標を提供することを可能にすることを示した。本技術によって、細胞の異常を定量的に高感度に検出することが可能となり、細胞診など病理診断分野に応用されることが期待される。
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