研究課題/領域番号 |
18K05450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤原 憲秀 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (20222268)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 全合成研究 / 有機合成化学 / 不斉合成 / 海藻毒 / 細胞毒性 / 神経毒性 / 標的生体分子探索 |
研究成果の概要 |
カタオゴノリの致死毒と推定されるポリカバノシドAと藍藻由来の細胞毒ポリカバノシドDは構造が酷似したマクロライド配糖体である。毒性発現機構の解明のため、これらの合成供給を目指した。合成例のないポリカバノシドDについて、マクロライド部と糖鎖を最後に連結し、マクロライド部を上半分とテトラヒドロピラン(THP)環に分割して合成する計画を遂行した。上半分とTHP環はR-パントラクトンを共通原料として合成できた。特にTHP環は不斉ビニロガス向山反応と金属触媒環化による新経路で効率合成できた。これ以降の合成は、申請者の過去のポリカバノシドAの合成法を踏襲できるため、ポリカバノシドDの合成供給の目処がついた。
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自由記述の分野 |
天然物合成化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリカバノシドAは食用カタオゴノリの突然毒化の際の致死毒として単離された。毒化は一時的であり、その後カタオゴノリから毒素は検出されなくなったため、ポリカバノシドAの天然供給は絶たれている。最近藍藻から構造の酷似したポリカバノシドDが細胞毒として単離され、ポリカバノシドAとの毒性の特徴の差異が注目された。もし、ポリカバノシド類の毒性の背後に存在する生体分子標的や作用機序を解明できれば、生命維持に重要な新たな生物学的知見が得られると期待される。この毒性に関わる研究の遂行には、ポリカバノシド類の供給が不可欠である。本研究は人工合成でその供給を実現する意義を持ち、簡便供給につながる知見を得た。
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