腸管には1000種にもおよぶ腸内細菌が存在し,その構成バランスの破綻が,様々な疾病の病態形成に関連することが報告されている。腸内細菌は宿主免疫系により恒常性が維持されているが,その全容を理解するには至っていない。本研究では,大腸で恒常的に産生されているインターロイキン(IL)-5と腸内細菌制御との関連に着眼し,腸内細菌の制御因子の一つであるT細胞を介さない免疫グロブリンA産生の一部がIL-5に依存していること,T細胞およびIL-5を欠損するマウスにおいて腸内細菌の多様性が失われていることを明らかにした。以上より、IL-5がT細胞非依存性IgAを介し、腸内細菌の適正化に関連すると示唆された。
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