本研究では、ファイトケミカルのうちケルセチン(フラボノイド)、イヌリン(多糖類)、ルテイン(カロテノイド)、グルコラファニン(含硫化合物)に着目し、これらの腸内動態と腸内環境におよぼす影響を培養系ヒト腸内細菌叢モデルおよびヒト結腸がん由来HT29-MTX細胞を用いて評価した。ケルセチンは抗菌様作用を示した一方、イヌリンはプレバイオティクスとして働くことが確認され、イヌリンは腸内細菌叢により資化されることが確認できた。ルテインとグルコラファニンは、今回の試験条件では腸内細菌叢およびその代謝物に影響をおよぼさなかった。また、腸内細菌叢代謝物も、HT29-MTX細胞にも影響をおよぼさなかった。
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