近年、ゲノムの転写産物のうち、かつてはジャンクと考えられていたnon-coding RNA(ncRNA)も機能性を持つことが示され、生体応答の新側面を捉えることが可能となった。本研究では食品の機能性評価にncRNAの解析を新規導入し、より詳細なトランスクリプトミクスへと発展させることを目指し、食餌性の鉄の過不足条件を例に解析を実施した。その結果、ncRNAも食餌の違いに機敏に応答すること、本条件下においては、鉄の主要貯蔵臓器である肝臓よりも血液における変動が顕著であることを捉えた。すなわち食に応答するマーカー分子として、coding RNAに加え、ncRNAを活用することの有効性が示された。
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