研究課題
基盤研究(C)
試料中に分散させたコロイド粒子(プローブ粒子)の運動の解析により試料の構造・物性の空間的不均一性を計測する粒子追跡法を利用した、食品関連ゲルの微視的な構造・物性の緩やかな経時変化(エイジング)の計測方法を検討した。プローブ粒子のゲル網目への吸着における粒子の表面構造と大きさの影響を明らかにした。例えば量子ドットのような、数10 nm以下の蛍光微粒子は、ゲル化後のエイジングにおけるゲルの構造・物性変化を測定するためのプローブ粒子として有効であることが示された。
高分子溶液・ゲル
食品は熱力学的に非平衡状態なので、その微視的構造は時間と共に変化する。これによって離水などが生じ、おいしさに関わる食感や呈味成分の放出に影響を及ぼすことがある。本研究は、粒子追跡法の食品関連分野への展開の可能性を明らかにするものであり、これによって離水などの現象の物理的解釈が進むことにより、食品加工法の改良等に寄与することが期待される。