本研究は脂肪細胞における低酸素ストレス応答を標的とした尿酸代謝の改善作用を評価した。脂肪細胞は分化成熟に伴って尿酸産生とキサンチンオキシダーゼ (XOD) 活性が亢進し、低酸素条件ではさらに尿酸産生とXOD活性が上昇した。共役リノール酸 (CLA) のうち10t, 12c異性体は低酸素条件で尿酸産生を抑制し、低酸素によって誘導されるHIF-1alphaの発現も抑制傾向が確認された。食餌誘発性肥満モデルマウスにおいて、CLAは脂肪組織でのXOD活性を有意に低下させ、血清尿酸値も低下傾向が確認された。これらの結果からCLAは低酸素ストレスを解消し、尿酸代謝を改善することが示唆された。
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