生殖的隔離は種の同一性を維持する障壁として働く。栽培イネOryza sativaとO. glaberrimaの種間雑種において、S18遺伝子はヘテロ接合体における生殖細胞の形態異常、強度の花粉不稔および分離歪みを引き起こす。本研究ではS18非適応ハプロタイプはS18AとS18Bの二遺伝子座による遺伝子複合 (gene complex)からなり、両領域がヘテロ接合型の時にタペート崩壊の遅延と不完全な消失が起こることで高不稔となることを明らかにした。またその原因となる塩基置換を順遺伝学的に同定し、AAゲノム種における多様性解析からS18はO. barthiiに起源することが明らかとなった。
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