本研究は、イネ科牧草であるライグラス類に特異的に存在するロリオースと呼ばれるオリゴ糖を対象としたものである。はじめに、イタリアンライグラス種子からロリオース標準品をグラムスケールで調製することに成功した。続いて、ロリオースがイネ科植物の中でもLolium属およびFestuca属に限定的に存在していることを確認した。さらに、種子中では登熟の進行に合わせて含有量が増大することを突き止めるとともに、発芽過程においては分解されることを見出した。これらの成果により、ロリオースの生合成・代謝機構の概要が明らかとなった。
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