仮道管様組織の発達前後で通水性が劇的に変化する現象を認めているアジサイの花葉を用いて調査した。まずは、人工気象条件下で仮道管様組織の発達を再現する実験系を構築した。次に、装飾的萼片の緑色化を抑制した状態で仮道管様組織の分化を誘導する実験系を確立した。確立した実験系を活用し、人工気象条件下で仮道管様組織を発達させた小花を用いて水分生理の変化を解析した。また、仮道管様組織の発達前後に発現する遺伝子群を網羅的に比較した。その結果、仮道管様組織の発達前と比較して発達後では、装飾的萼片への水の吸い上げが迅速に起こることを認めた。また、サンプル間で差次的な発現が認められた遺伝子の配列情報を獲得した。
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