ウンシュウミカン栽培で大きな問題となっている浮き皮の発生に関する品種間差異の遺伝的要因を明らかにすることを目的として,発生程度の異なる2品種を供試して,発現解析とゲノム解析を行った.品種間や浮き皮軽減効果がある植物成長調節剤処理における遺伝子発現変動を調査した結果,ジャスモン酸シグナル伝達に関与するJAZ遺伝子が浮き皮が発生しやすい品種である‘南柑20号’の果皮で高く,その発現がGAやGA+PDJ処理で低下することが明らかとなった.JAZはジャスモン酸シグナルを抑制することで成長を促進する役割があることから,JAZ遺伝子の高発現と浮き皮発生に関係がある可能性が示唆された.
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