本研究課題ではカンキツの種なしの主な要因である雄性不稔性(花粉が形成されない性質)の遺伝子同定を試みた。雄性不稔領域(MS-P1)に位置し、雄性不稔性と非常に強く連鎖するDNAマーカーを新たに開発した。これらのマーカーをもちいて、MS-P1領域を解析したところ、カンキツ雄性不稔性においては、ミトコンドリア側の雄性不稔性原因遺伝子とそれに対する核側の稔性回復遺伝子のモデルの存在が示唆された。3つの交配集団を用いた解析によって、候補遺伝子を68つにまで絞り込むことができた。さらに次世代シークエンサー解析によって、最有力候補を1つ発見することができた。
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