イネいもち病菌が感染時特異的に分泌するRbf1タンパク質の作用機構の解明を目指し、その作用部位を解析した。Rbf1をイネの細胞間隙あるいは細胞内に発現しうる形質転換イネを作製し、その葉いもち病抵抗性を評価した。その結果、分泌シグナル付きのRBF1遺伝子を導入したイネでは抵抗性が有意に低下したことから、Rbf1がイネ細胞間隙で機能することが示唆された 次に、培養細胞を用いて10種類のキチンエリシター誘導性遺伝子の発現を解析した。その結果、分泌シグナルの有無に関係なく発現誘導パターンはコントロールと同様であったことから、Rbf1がイネの病害応答遺伝子の発現に直接作用する可能性は低いと考えられた。
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