研究課題/領域番号 |
18K05686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高田 啓介 信州大学, 理学部, 特任准教授 (90197096)
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研究分担者 |
高橋 洋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 准教授 (90399650)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Pungitius kaibarae / mtDNA / ddRAD-seq / COLONY / Sequoia / Ne / PVA |
研究成果の概要 |
遺存固有分布期にあるイバラトミヨ雄物型局所個体群を用いて、有効な保全策を立案するために遺伝学的、生態学的解析を行った。RAD-seqによる家系分析等を用いた遺伝的集団構造の解明や、生態学的情報を組み合わせた個体群存続性分析を行い、今後100年間の絶滅確率を推定した。山形県内の3個体群間に直近の世代間で個体の移動はないと推定され、それぞれの個体群の有効集団サイズと一腹卵数等の生態学的情報を用いた個体群存続性分析により、3個体群ともに今後100年間に56%から78%の高い確率で絶滅すると推定された。これらのことから生息地の保全と危険分散に基づく施設飼育などの管理が必要であることが示唆された。
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自由記述の分野 |
保全生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では、淡水魚類の多くは程度の差こそあれ絶滅危惧種に指定されている。本研究ではP. kaibarae種群に属するイバラトミヨ雄物型個体群を例に遺伝子解析を用いることにより、保全する際の基本情報である有効集団サイズを推定することができることを示した。これを基に個体群の絶滅確率を的確に予測することができるようになった。 これまで保全活動を行う際に、絶滅という最悪の状態がどの程度起こりうるかを客観的に示すことが難しかった。遺伝的集団構造の解明および生態学的データや環境変動データを用いた百年単位での絶滅確率の推定を組み合わせることにより、保全対象個体群の状況を客観的に示すことができるようになった。
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