絶滅危惧の状況にある塩湿地植物の種子発芽特性と生育立地特性を明らかにするために、発芽試験と野外調査を行った。発芽試験の対象としたキク科ヨモギ属のフクドArtemisia fukudoおよびイグサ科イグサ属のドロイJuncus gracillimusについて、温度・光条件に関する休眠・発芽特性、海流散布の可能性、永続的な埋土種子集団の形成可能性、種子保存の可能性のほか、これら絶滅危惧種を含む塩湿地植物計14種のフェノロジー、塩湿地植生の帯状構造、現地における年間の地温データなど、域内・域外保全方法の検討に資する有用な知見・情報を得ることができた。
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