研究成果の概要 |
紅藻ダルス(Palmaria palmata)由来キシランを酵素分解して調製したダルスに特有のキシロオリゴ糖(XOS)であるβ-(1,3/1,4)-キシロトリオース(DX3)がビフィズス菌の一種Bifidobacterium adolescentisに対して選択的増殖促進作用を示すことを明らかにした。そして、B. adolescentis内におけるDX3の分解経路を明らかにした。また、Streptomyces属の放線菌由来の2種キシラナーゼ(StXyl-10及びStXyl-11)を併用し、β-(1,3/1,4)-XOS高含有のオリゴ糖調製法を確率した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「β-1,4結合」と「β-1,3結合」が混在した特異な構造を持つキシロオリゴ糖の生理活性に関する詳細な研究は成されていない。本研究において、ダルス由来のβ-(1,3/1,4)-キシロトリオース(DX3)が、陸上植物由来のβ-(1,4)-キシロトリオース(X3)とは異なる生理活性を有することが明らかになった。すなわち、DX3はX3よりビフィズス菌に対する選択的増殖促進作用を示した。 ダルスは主として北海道沿岸に分布する紅藻であるが、冬季に養殖コンブへの陽当たりを遮る雑海藻として除去されている。本研究の成果を受け、ダルスの新規機能性素材・地域資源としての有効活用が期待される。
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