研究課題
基盤研究(C)
定量分析の結果,1)男性は女性と比較して食意識が低くかつ食行動が乱れ気味であること,2)家族と同居していながら孤食頻度の高い男性高齢者は男性の独居高齢者と同程度に食意識が低くかつ食行動が乱れていること,3)経済的にゆとりがあり豊富な食情報を有する高齢者ほど良好な食生活を過ごしていること,4)栄養バランスのとれた食事の摂取比率について,東日本では都市部よりも農村部の方が高く,西日本では反対に農村部よりも都市部の方が高い可能性があることなどを指摘した。
食料経済
急速な高齢化の進展に伴い,高齢者の「食」に関してフレイル予防を目的とした栄養学・医学研究が活発化している。しかし,日々の食事が日常生活の重要な構成要素でありながら,高齢者の「食に対する満足感」や「食行動・食意識」に関する社会科学研究は緒に就いたばかりである。こうした状況下にあって,大規模標本調査の個票データを用いて,食満足度や食行動・食意識に影響を及ぼす社会経済的要因を検討した点に学術的意義および社会的意義があるといえる。