研究課題/領域番号 |
18K05890
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
石田 聡 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究領域長 (30414444)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地下水 / 塩水化 / 二重揚水 / 津波 / 回復 |
研究実績の概要 |
本研究による揚水手法により、津波による塩水化からの回復度が把握できることを確認するため、研究対象地域である仙台平野南部に設置された地下水観測孔のうち、過年度調査により塩水化からの回復が認められる箇所を選定し、実利用規模の地下水揚水試験を行った。試験には50L/min程度の揚水能力が必要なため、大容量パッカー付き揚水装置を新たに作成した。装置の外径は観測孔VP50内に挿入可能な42mmとし、揚水管はこれまの耐圧ホースに代えて塩ビパイプを用い、逆流防止のフラップを設けた。パッカー長は1mとし、パッカーの上下に自記水圧・EC計を配し、パッカーから1m上位に取水のためのストレーナを設け、揚水ポンプはAC100V駆動の吸い込み式とした。 揚水試験時の地下水位はGL-1.51m、揚水前の孔内地下水のECは地下水面からGL-5mまでは50~70mS/mで推移し、以深は漸増し孔底GL-9mでは97mS/mであった。試験では深度7mの井戸を模すこととし、パッカーはGL-7.0m、ストレーナはGL-6.0mに設置した。揚水は120分間連続で行い、揚水中は10分間隔で瞬時揚水量、揚水した地下水のEC、水温、pH、ORP、DOを測定するとともに、試験中5回ラドン濃度を測定した。 試験中、瞬時揚水量は試験期間中50L/min前後を推移し、安定していた。揚水中の地下水のECは44~45mS/mで安定していた。地下水のEC、水温、pH、DO、ラドン濃度も揚水中はほぼ一定であったが、ORPのみ揚水開始時は-22mVであったものが40分後には-103mVまで上昇し、その後は漸増した。このことは揚水により孔内水が置き換わったことによると考えられるが、本試験結果のみからでは確証できない。いずれにせよ、ECの測定結果から、本試験地の淡水基準(70mS/m)を下回る地下水が安定的に揚水できることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
諸事情により、現地観測について予定していた数量を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度に実施できなかった現地観測を行うため、研究期間を1年間延長し、令和3年度に実施する。得られた観測結果と過年度の研究結果を合わせてとりまとめ、最終報告とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
諸事情により、予定していた現地観測が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。R3年度は現地観測および研究とりまとめに使用する予定である。
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