津波によって塩水化した地下水が帯水層深部に存在する仙台平野南部において,揚水による塩水の混合を防ぐため井戸内に止水性のパッカーを設け,①パッカー上部から地下水を揚水する装置,②パッカー上部・下部から同時に地下水を揚水する装置を開発し,19個所の井戸で揚水試験を実施した。その結果,海岸に近くなるほど揚水した地下水のECは高くなるが,①を用いると全ての地点で200mS/m未満の地下水が得られ,井戸の深度を浅くすると淡水が得られやすくなることが明らかになった。②を用いた試験では,2深度から同時に揚水した地下水のECが一定の値を保ち,本手法でアップコーニングを抑止できることが明らかになった。
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