従来の土壌を利用した水質浄化方式では,汚水を土壌に導入する方法の改良に過ぎなかった。これに対し,本研究では土壌団粒の物理化学的制御により,硝化や脱窒に寄与する生物性をもコントロールすることによって,水質浄化機能を高めることが可能であることを示した。共同体として発揮される土壌微生物群の活動の場を,土壌団粒によって人工的に創出しようとする発想は今までになかった。 土壌は世界中普遍に存在しており,土壌を利用した水質浄化法は低コストでローメンテナンスな技術である。土壌など地域に存在する資源を利用した水質浄化技術の発展は,世界規模での水環境問題の解決や地域資源循環型社会の構築に大きく寄与できる。
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