穀類に含まれるリン酸(P)の70~90%は有機態リン酸化合物のフィチン態P(フィチン酸,Phytic acid)である。しかし,フィチン酸は,鶏,豚などの単胃動物では吸収・利用できないため,家畜飼料に不足したPを補う目的で、リン鉱石から精製した無機態Pが飼料に添加されている。フィチン酸にFeやZnなどの微量元素がキレート結合したフィチンは, 微量元素の吸収を阻害する抗栄養成分の一つである。本研究では,フィチン酸に関わる様々な問題を解決することを目的に,フィチン酸が低く,無機態リン酸含量の高い「ダイズ低フィチン系統」を育成し,リン資源の節約と環境負荷低減について検討した。
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