本研究では、ATPを利用して基質を能動輸送するATP-binding cassette(ABC)輸送体のうち、外膜チャネルと膜融合蛋白質と複合体を形成して基質の輸送を行う三者複合体形成型輸送体MacBについて、その基質輸送機構を解明することを目的とした。2017年に我々は分解能3.4オングストロームでMacBの結晶構造を明らかにしたが、本研究では新たに別のMacBホモログで分解能2.0オングストロームのより精密な構造解析に成功した。さらに複数の別条件の結晶からも構造を得た。それらの構造を比較することにより、MacBの構造変化が観察され、基質輸送機構の理解につながる新たな知見が得られた。
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