研究課題
基盤研究(C)
予後が非常に悪い癌、つまり早期診断や病型分類ができる有用な腫瘍マーカーが存在しない3つの癌(膵臓癌、胆道癌、トリプルネガティブ乳癌)の新規腫瘍マーカーを、癌細胞表面の糖鎖に着目して探索した。膵臓癌と胆道癌においては、フコシル化ハプトグロビンを発見し、その産生機序なども解明した。トリプルネガティブ乳癌においては、糖鎖が変化するキャリアタンパク質を発見することができた。今後は、これの腫瘍マーカー候補の汎用性の有無を多くの検体を用いて調べる必要がある。さらに、簡便迅速な測定法の開発も必要である。
糖鎖分析
体の奥深くに潜むため発見が非常に困難な癌(膵臓癌と胆道癌)および標的分子が存在しないため治療薬が無く予後が非常に悪い癌(トリプルネガティブ乳癌)の新規腫瘍マーカーが開発されれば、腫瘍の早期発見および標的治療が可能になり、医療費の削減および国民の健康増進が期待される。