シナプス可塑性におけるヘパラン硫酸 (HS) 鎖の微細構造の役割を調べるため、グルタミン酸作動性シナプスのモデルであるショウジョウバエの神経筋接合部に着目し解析を行った。ショウジョウバエでは飢餓状態になると神経筋接合部のシナプス終末の数が増加することが知られている。しかしながらHS鎖の6-O位を脱硫酸化する6-O脱硫酸酵素 (Sulf1) の欠失個体では飢餓状態においてもシナプス終末が増加しないことが分かった。またこの個体では飢餓時に観察されるグルタミン酸受容体GluRIIAの増加が起きなかった。以上の結果から、HS鎖は微細構造を介してシナプスの可塑性を調節することが示唆された。
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