本研究では始めに、(1)細胞認識分子Dscamによって自己の樹状突起間でのみ反発作用を引き起こす、自己交叉忌避の分子機構の解明に取り組み、Dscamが下流の細胞骨格制御分子を介して、自己交叉忌避シグナル伝達を行うことを明らかにした。(2)次に、Dscamシグナルを解明する過程で同定したリン酸化酵素Wnkの機能解析を行い、Wnkが軸索の伸長と維持を司ることを明らかにした。最後に、(3)樹状突起における活動電位の逆伝搬を抑制する電位依存性カリウムチャネルKv4.2とその制御サブユニットKChIP1、DPP6Sとの複合体構造をクライオ電子顕微鏡によって解明し、ゲート開閉の制御機構を明らかにした。
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