研究課題
基盤研究(C)
栄養源飢餓およびTORC不活性化により、ヌクレオファジーで分解される核小体タンパク質がNVJ近傍に近寄る一方、分解されないrDNA領域は凝縮しつつ逆にNVJから遠ざかったため、通常は核小体内に内包されるrDNAが核小体タンパク質から分離することを見出した。このrDNAの凝縮、核小体の再配置、飢餓後の生存率に必要な因子としてコンデンシンとHmo1、Cdc14、トポイソメラーゼ、核膜にrDNAを繋ぎ止めるCLIPとcohibin、ミクロヌクレオファジー因子Nvj1、Vac8を同定した。
細胞生物学
本研究は、オートファジーによる分解されるターゲットが分解されやすいようにどのように振る舞うのか、核内のDNA染色体という分解してはいけない部位をどのように分解から逃避させているのかという、これまでにはない観点でオートファジーを解析し、それに必要な因子を同定した。ヒトの認知症等の神経細胞死を防止するために神経細胞の核内浄化は極めて重要であるが、本研究はその分子基盤に対して貴重なヒントを提示した。