研究課題
基盤研究(C)
肺気管支が、長さと太さに関して階層的な構造を形成するメカニズムについて、実験観察と数理モデルを組み合わせた研究を行った。その結果、発生が進むにつれて上皮組織のシグナル分子応答性が変化することを見出し、これが分岐枝の長さを調節するという予測を得た。さらに分岐枝径と分岐枝長の調節機構として、細胞変形の重要性を示した。
数理生物学
分岐理論研究の中で、本研究の特徴は、2つの異なる分岐原理を組み合わせた点にある。ひとつは上皮の突出部で成長が進むこと、もうひとつは頂端収縮を介した自発曲率変化である。本研究はFGFとWntがこれらの制御を介して分岐スケールを決定していることを示した。定量的実験に基づいた高次分岐のシミュレーションにより、上皮の性質が肺のメソスケール構造をどのように制御しているか新しい視点を提供した。