研究課題/領域番号 |
18K06527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
内野 茂夫 帝京大学, 理工学部, 教授 (30392434)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / Shank3 / 病態モデルマウス / 行動解析 / トランスクリプトーム解析 / ケモカイン |
研究成果の概要 |
社会性・対人関係の障害を主徴とする自閉スペクトラム症(ASD)は、神経回路の機能不全を病因とする先天的な高次脳機能障害である。本研究では、ICR仔マウスとの対面試験から、ASDのモデルマウス(Shank3欠損マウス)が、1)他マウスへとの接触を避ける警戒性、2)かみつきなどの攻撃性、3)執拗な追い回し、4)抱え込み・過度のアログルーミング(毛づくろい)、など多様な行動様式を示すことを明らかにした。これらの行動様式の多様性は、離乳直後の若齢マウスにおいて既に確認された。さらに、トランスクリプトーム解析から、行動異常と相関する候補分子を見出した。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ASDは、コミュニケーションの障害や不安亢進、興味・行動の限局化、運動や感覚、概日リズム機能の異常など多岐にわたる症状を呈する先天的な高次脳機能障害である。ASDの神経病態は神経回路の機能不全と考えられているが、その分子基盤は不明な点が多い。ASDの病態罹患率はおよそ2%と高いが、現状では療育を中心とした対処療法が主流であり、その効果には個人差がある。本研究では、ASDのモデルマウスが示す異常な社会性行動の多様性を定量的に判定し、その起因となる候補分子を見出した。本研究から得られた知見は、機能不全に陥った神経回路の修復機構に基づいた新たな治療法の開発への発展が期待される。
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