本研究課題が対象とする終神経は、嗅神経と嗅球の間に位置し、鼻と脳の広範囲にその軸索を投射するが、その機能はよくわかっていない。終神経は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gonadotropin releasing hormone, GnRH)を発現することから、その機能は生殖行動に関与すると考えられてきた。しかしながら、本研究課題によって終神経は、CO2を受容し、忌避行動を駆動する侵害受容ニューロンであることが明らかとなった。終神経に関する新たな研究分野の開拓、ヒトを含む他の動物におけるGnRHペプチドニューロンの役割の解明に向けて役立つものと期待される。
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