六配位フッ化硫黄構造であるペンタフルオロスルファニル(SF5)基、テトラフルオロスルファニル(SF4)基は近年注目を集めている有機化学の官能基である。本研究では、これらをビタミンA誘導体である合成レチノイドの部分構造として応用し、医薬構造としての有用性を検証した。その結果、SF5基はレチノイドの脂溶性部分として、SF4基はレチノイドのリンカー構造として応用できることが明らかとなった。特にSF4基を部分構造として持つ生理活性分子は世界初の成果であり、この成果は医薬品の構造多様性拡張に貢献できると期待される。
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