腎臓の尿細管のヘンレループの太い上行脚に特異的に発現するNKCC2トランスポーターは、Na+とK+, Cl-を細胞内へと共輸送して、これら電解質の再吸収を行う。NKCC2は細胞膜表面で単体として存在するのではなく、アクチン結合タンパク質であるモエシンと結合して、細胞骨格と結合し、他の機能関連タンパク質と存在部位を共にし、協調的に働くことを見出した。モエシンは、細胞膜上のNKCC2と結合して、これのエンドサイトーシスを促進させることを発見した。その結果、モエシン欠損マウスでは電解質の再吸収が亢進して、尿量の減少、血液中のクロライド濃度の上昇が見られた。
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