本研究は、慢性炎症性疾患に対する創薬・育成研究を、新規ミトコンドリア因子p13の観点から推進することを目的に実施した。創薬研究としては、p13が膵ラ氏島と関連した血糖値制御システムの異常に関与することを示すと共に、脂肪組織や生殖器、脳や頭蓋骨などの萎縮や変性などいわゆる“組織形成の異常”に対する創薬標的となることを明らかにした。また、p13欠損マウスを疾患モデル動物として用いる場合のボトルネックとなる繁殖性の低さについても解消することができた。 一方、育薬研究としては、p13の発現誘導化合物harmineが抗がん剤として利用できることを示唆する結果を得た。
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