本研究では、海洋無脊椎動物からチューブリン重合・脱重合阻害作用を示す成分を検索し、得られた成分を新規抗がん剤のシード化合物として開発するために、海洋生物の採集と活性成分の分離操作を行った。具体的には、採集した各試料動物並びに微生物培養物を処理して、粗抽出物を作成した。第一次活性試験として、各粗抽出物について、神経成長因子共存下で PC12 細胞に対する神経突起伸展作用を調べ、突起の伸展作用を示し、チューブリン機能に影響を与えている可能性を有する抽出物を選出し、活性成分の単離を行った。その結果、海草、海綿動物、海洋性細菌類からセラミド、セレブロシド、環状ペプチドを単離し構造決定することができた。
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