現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象とする生薬5品目(当帰,芍薬,地黄,川きゅう,附子)についてそれぞれ生産方法の検討を行った。調査結果を踏まえ,金沢の気候に適した栽培条件を導入した。その結果,期待どおりに収穫物が得られたことから,加工条件の検討とともに,栽培条件の再検討を実施している。現在までの進捗はおおむね予定どおりといえる。 当帰はPP苗からの生産物が,慣行法との品質評価の結果が得られ,この成果を論文発表した。また当帰と地黄は加工過程において含有成分が変化する。すなわち加工後は単糖類が増加することが知られていたが,従来法では正確に各成分を分離,定量することは困難であった。今回の検討より,単糖類(glucose, fructose, galactose)に加え少糖類(sucrose, raffinose, stacyose)などを定量する条件を確立することに成功した。 芍薬,地黄,川きゅうについては昨年の収穫物について加工法の検討を実施しており,今年は再現性を含めた測定が実施可能な状況にある。いずれも安定して収穫物を得られるようになったことは大きな進捗である。 附子について,今年度の調査結果を元に,冬から栽培を開始した。これも2020年5月の段階では順調に生育しており,この結果も期待できる。
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