数百種類にわたって使用されている漢方方剤(漢方薬)は、漢方医学独特の診断基準「証」に基づいて患者に処方される。その処方システムは、多様な治療経験・エビデンスに基づいたものであり、全体像は複雑である。こうした視点から、方剤の質量分析(MS; Mass Spectrometry)などによるノンターゲット化学分析から得られたフィンガープリント、構成生薬量・比、および「証」データを基にコンピュータを用いた多変量解析を行った。そして、得られた結果からデータ間の関係性を導出し、本研究対象とした方剤群の処方システム基礎理論をモデル化した。
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