関節リウマチ患者において症例報告が散見される乾燥皮膚に着目した。関節炎においてマスト細胞が乾燥皮膚の誘導に関わる点については、すでに報告した消化器疾患モデルマウスでの現象と類似するが、TSLPやグルココルチコイド、樹状細胞などが関わる点については、関節炎特有の乾燥皮膚の誘導メカニズムであると考えられた。次に非ステロイド性抗炎症薬を関節炎マウスに投与することで、関節炎から誘導される乾燥皮膚が抑制されるかについて検討している。これらの知見も踏まえて、疾患によって乾燥皮膚の誘導メカニズムが異なる可能性が提示され、疾患ごとに適正な乾燥皮膚対策を講じることが可能な科学的根拠となるものと確信している。
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