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2021 年度 研究成果報告書

膵がんにおけるArl4cとIQGAP1の相互作用を介した細胞増殖制御機構の解析

研究課題

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研究課題/領域番号 18K06956
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49010:病態医化学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 真司  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20572324)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードArl4c / IQGAP1 / 膵がん / 転移 / KRas
研究成果の概要

膵がん細胞株においてArl4cの発現を抑制したところ、がん細胞の浸潤能が強く抑制された。Arl4cはミリスチン酸修飾を介して浸潤仮足の先端部に局在し、細胞外基質の分解を誘導することで浸潤能を亢進させた。Arl4cの新規結合タンパク質としてIQGAP1を同定し、その下流のエフェクター分子としてMMP14 (MT1-MMP)を見出した。Arl4cは浸潤仮足先端部分のPIP3領域に特異的に局在し、そこへIQGAP1やMMP14をリクルートすることで浸潤能を亢進させた。Arl4cに対する修飾型アンチセンス核酸 (ASO)投与は、同所移植モデルにおいて、膵がん細胞のリンパ節への転移を強く抑制した。

自由記述の分野

腫瘍生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

膵がんは9割以上の症例でKRasの変異を有する極めて予後不良な難治性がんであり、多くの症例で発見時にはすでに転移が認められ手術適応がない。転移の機構の解明と制御は、膵がんの予後改善のために極めて重要である。
本研究成果から、Arl4cによる浸潤仮足の形成を介した、膵がんの新たな浸潤機構が解明された。Arl4cに対するアンチセンス核酸の投与が膵がんの転移を抑制したことから、Arl4cが有望な治療標的である可能性が示唆された。Arl4cが膵がんの主要なドライバーである変異型KRasの下流エフェクターとして同定されたことで、今後、膵がんの病態解明と治療法開発の進展が期待される。

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公開日: 2023-01-30  

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