研究課題/領域番号 |
18K07059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 真寿美 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431307)
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研究分担者 |
田中 伸哉 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70261287)
王 磊 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70637975)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | がん / 転移 / エクソソーム / Crk / ErbB2 / アダプター分子 |
研究成果の概要 |
本研究により、アダプター分子Crkはエクソソームの内包分子の種類と量を制御しており、Crk高発現膀胱癌細胞由来のエクソソームにはCrkとともにErbB2が含まれ、これが転移先臓器の肺の血管内皮細胞に作用し、膀胱癌細胞の肺転移を促進することが明らかになった。このことは、エクソソームに内包されているCrkやErbB2が転移先臓器のレシピエント細胞のシグナル伝達経路を活性化してその形質を変化させていることを示唆する。Crkを高発現しているがんは数多く報告されており、これによりエクソソームの内包分子についてもヘテロジェナイティーが創出され、がんの転移の選択と成立に寄与している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
がんの転移
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、アダプター分子Crkはがん細胞の悪性形質のみならず、エクソソームを介してがんの転移先臓器の再構築と転移形成にも関与することが明らかとなった。これは、アダプター分子がエクソソームを介して転移先臓器の組織環境を整備し、がん転移の成立と促進に寄与することを示す画期的なデータである。現在、Crkとシグナル下流分子C3Gの結合を阻害する薬剤を開発検討中であり、エクソソームにおける効果を検証後は、がん細胞の増殖のみならずエクソソームを介したがんの浸潤・転移を抑制できる可能性があり、多くのがん患者の生命予後の改善に貢献できることが期待される。
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