脊椎動物(マウス)での適応度を規定する遺伝的因子、特に薬剤選択圧下での適応度を規定する遺伝的因子の特定を試みた。その結果、新規薬剤耐性付与突然変異遺伝子変異を同定し、さらに興味深いことに、耐性の安定化にかかわる新規遺伝子変異(耐性安定化遺伝子変異)の特定に成功した。野生型原虫に薬剤耐性付与遺伝子変異を挿入すると弱い耐性を示すが、さらに耐性安定化遺伝子変異を導入することで、耐性度が上昇した。一方、野生型に耐性安定化遺伝子変異のみを導入した場合は、耐性は見られなかった。以上のことから、耐性安定化遺伝子変異が耐性付与遺伝子変異に作用することで、耐性の上昇と安定化にかかわるものと結論した。
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