研究課題/領域番号 |
18K07166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東邦大学 (2019-2021) 東京大学 (2018) |
研究代表者 |
西尾 純子 東邦大学, 医学部, 准教授(寄付講座) (40598679)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サーファクタントプロテインD / Lactobacillus murinus / ディスバイオーシス / IL-22 / 硬化性胆管炎 |
研究成果の概要 |
胆嚢で産生されるサーファクタントプロテインD (SP-D)は、Lactobacillus murinusなどに対し抗菌作用を持ち、腸内細菌叢を制御していた。このような腸内ディスバイオーシスを持つSP-D欠損マウスでは、gdT細胞、NKp46細胞、CD4+ lymphoid tissue-iuducer細胞などのIL-22産生細胞が大腸粘膜で減少しており、大腸炎に対する高感受性の原因であると考えられた。一方、硬化性胆管炎モデルのAbcb4欠損マウスにSP-Dを欠損させても胆管炎は抑制されず、SP-Dの疾患への影響はなかった。今後、胆嚢がんや胆嚢感染症へのSP-Dの関与について検討していく。
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自由記述の分野 |
自己免疫疾患、腸管免疫
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SP-Dは、肺胞上皮細胞から分泌される抗菌ペプチドとして肺感染防御機構に貢献していることが知られていたが、本研究により、SP-Dが肺以外にも胆嚢から産生され、腸内細菌を制御し、腸管粘膜のIL-22産生細胞の維持を介して腸管恒常性に貢献している可能性があるという新しい概念を生んだ。線維性胆管炎に対してSP-D欠損による腸内ディスバイオーシスの影響は認めなかったが、感染症やがんなどの他の胆のう疾患に対する影響を検討する価値は十分にある。何らかの影響が認められれば、炎症性腸疾患のみならず、胆嚢疾患に関してSP-Dを標的とした治療基盤を創出する可能性を持つ。
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