本研究においてHMGB1による好中球遊走メカニズムの詳細と炎症性疾患の病態におけるHMGB1の重要性について検討を進めた。HMGB1と強く結合しその作用を阻害するオリゴ核酸ISM ODNをConA誘導性肝炎モデルマウスに投与したところ、肝臓への好中球の浸潤が顕著に阻害された。また、ISM ODNの投与により腫瘍の増大も抑制された。HMGB1による好中球の遊走促進作用は、炎症の促進、腫瘍の増大に関連している可能性が示唆された。また、in vivoでの好中球遊走作用をさらに検討するため、恒常的にHMGB1を細胞外に放出する系を作成し、このコンストラクトを発現するノックインマウスを作成した。
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