我々は偶然見出した4T1亜株(4T1-S)がX線照射後に顕著なワクチン効果をもたらすことを見出している。その親株にあたる4T1-Aとの発現遺伝子の差分解析により、ワクチン奏効因子を抽出し、無効ワクチンを有効化できないか検討した。ワクチン有効株でX線照射後に高発現する因子を15個抽出した。上位3遺伝子を4T1-Aに導入してワクチン実験を行ったところ効果が増強した。一方、弱いワクチン効果を有するCT26細胞に上位3遺伝子を導入しワクチン実験を行ったところ、全個体で完全なワクチン効果がみられた。従ってがん種や個体によっては上位3遺伝子のみの導入でもワクチン効果の発現に有効に働くことが明らかとなった。
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