高齢化社会の加速に伴い、特に患者数が多いADへの対策が喫緊の課題となっている。これまでに多数開発されてきたAβをターゲットとしたAD治療薬候補としてとは異なメカニズムによって、本研究で着目した脳内内在性ペプチドであるp3-Alcβは抗AD作用を有することが明らかになった。ADは認知症を発症する20年以上前から脳内において病態変化が起こることから早期診断法の確立も重要なポイントなるが、p3-AlcβはAD発症に伴い減少するため、治療開始をモニターするマーカーとしての有用性も示唆され、AD対処法に診断・治療の両方から貢献しうる。
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