研究課題
本研究は、耐糖能異常ニューロパチーにおける①adrenergic neuronとcholinergic neuronとの障害度の差についての検討、②発症への酸化ストレスの関与についての検討、③発症への中枢神経系の関与についての検討を行うとともに、準境界型ニューロパチーと称すべき病態に関する出現頻度の調査も行い、「耐糖能異常患者に出現する小径線維ニューロパチーの超早期診断法の確立」、「point of no returnを意識した薬物療法の至適開始時期同定」、「準境界型ニューロパチーという新疾患概念の確立」、そして「耐糖能異常患者における小径線維ニューロパチーの 発症機序の一部解明」にまで至ることを目的とする。2年目にあたる2019年度には、このうち②発症への酸化ストレスの関与についての検討、および③発症への中枢神経系の関与についての検討を進めた。具体的には、耐糖能異常患者50名を対象に、FREE CARRIO DUOによる血清ヒドロペルオキシド値の測定や抗酸化力(血中鉄還元反応)のチェックを行い、これら各々の値や、そこから算出される「酸化度/抗酸化力」と尿中ミオイノシトール+Aδ線維 特異的痛覚閾値+血管運動神経機能(=C線維機能)の評価から見た小径線維の障害度との相関について検討するとともに、通常の大径線維を評価する電気刺激(=Aβ刺激)と小径神経選択電気刺激(=Aδ刺激)での脳電気活動の違いをMEGとMRIを用いて評価し、脳機能マップを作成することによって、小径線維障害に関連した脳機能領域を同定する仕組みを用意した。後者については、covid-19の拡大によって生じた施設や被験者の自粛規制の影響から、実際の検査を施行するには至らなかったが、その分は2020年度に遂行していくこととする。
3: やや遅れている
先に述べたように、covid-19の拡大によって生じた施設や被験者の自粛規制の影響から、被検者を検査し、通常の大径線維を評価する電気刺激(=Aβ刺激)と小径神経選択電気刺激(=Aδ刺激)での脳電気活動の違いをMEGとMRIを用いて評価し、脳機能マップを作成するという作業にやや遅れが生じてしまった。しかし、この件については、2020年度に遂行することによって十分遅れを取り戻すことが可能と考えている。
先述の遅れを取り戻すべく、被検者を検査し、通常の大径線維を評価する電気刺激(=Aβ刺激)と小径神経選択電気刺激(=Aδ刺激)での脳電気活動の違いをMEGとMRIを用いて評価し、脳機能マップを作成するという作業を遂行するとともに、研究計画の最終年度にふさわしい、2018年度から2020年度までの研究の総括、そしてその成果をまとめての学会発表、学術論文の執筆、投稿を行っていく。
先に述べたように、covid-19の拡大によって生じた施設や被験者の自粛規制の影響から、被検者を検査し、通常の大径線維を評価する電気刺激(=Aβ刺激)と小径神経選択電気刺激(=Aδ刺激)での脳電気活動の違いをMEGとMRIを用いて評価し、脳機能マップを作成するという作業にやや遅れが生じてしまった。この件に関する被験者への謝金や得られたデータの学会での発表が中止となったことによる出張費の残高がこの使用額、残高に至った理由である。ただ、これらついては、2020年度に遂行することとしている。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Amyloid
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